サービス経営学部藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究で株式会社東京葬祭を訪問
サービス経営学部の藤野洋教授(専攻:中小企業論、持続可能な開発目標(SDGs))と藤野ゼミの4年生1人が2024年6月5日に株式会社東京葬祭(東京都江戸川区)を訪問しました。訪問の目的は、葬祭業界の発展の方向性をテーマとして研究する学生が卒業論文を作成するための情報を聴取することです。
同社は江戸川区に本社を構え新宿?世田谷?江東?神奈川?調布?浦安?三郷?横浜に支店?営業所、14箇所の葬祭場を有し、グループ企業(注)も通じて各種葬儀の施工、仏壇?仏具?墓所?墓石などの紹介、生花?供物?料理?返礼品の手配、法事?法要に関するアドバイスや手配、事前相談?終活相談などを幅広く行っている企業です。
(注)グループ企業
?ニューオークラ(法要会場、予約食事処)
?東京花壇(慶弔時贈答用生花の製作及び販売、葬儀用花祭壇の製作及び施行等)
?Familiar(仏事全般の相談、位牌、仏壇仏具、手元供養の案内と販売、メモリアルギャラリー、回忌法要の相談対応、霊園の企画開発?管理、墓地墓石、樹木葬の販売仲介)、
?サンプラン(古物商免許による遺品整理等)
?IEE(霊柩事業、民間救急車事業、海外サポート事業等)
取締役社長である後藤 英司氏と執行役員?儀式担当部長の佐東和人氏が、あらかじめお知らせしておいた各学生の質問にお答えいただくとともに、学生の問題意識の深堀りに資する追加的なご説明もしていただきました。
(ご説明中の後藤社長(向かって左奥)と佐東執行役員(同、右奥)。本学学生(同、左手前))
(後藤社長と佐東執行役員からのご説明の抜粋(順不同))
?東京葬祭グループの始まりは、約40年前に料飲部門として地域に宴会や婚礼式場を提供していたニューオークラ。その後、婚礼サービスだけのサービス提供から、冠婚葬祭サービスへと利用者の人生の節目を提供するサービス部門として誕生したのが後の東京葬祭。
?現在では、「東京葬祭」の儀式サービスを支える重要な部門として、「ニューオークラ」のケータリングサービス、そして「東京花壇」の生花サービスが存在し、さらに生花販売店を運営し、地域社会と日常生活に積極的に貢献している。この三社が「お客様第一主義」に基づく、葬儀を通じた幸せづくりという、同じ意志をもって顧客に接することこそが、東京葬祭のサービスの根幹である。
?高齢化、経済成長率の低下など、2000年頃を境に全てのサービスが大きな変化を求められている。その典型例が「家族葬」による葬儀の規模の縮小である。このため、新たな関連企業も誕生させている。従来の民間救急サービスは、海外搬送連携をはじめ、海外にて駐在員が活躍している。遺品整理といった新たな事業を創出、樹木葬をはじめとして霊園開発事業も展開し、多様化する顧客のニーズに対応している。
(上:霊園開発と樹木葬(自然葬)のイメージ図、下:仏壇)
?入会費?月々掛け金、全て0円で葬儀費用、供花?仏壇?仏具?墓石の割引をする会員制度を通じて、顧客とのリレーションの構築に努めている。大切な故人の最後にふさわしく、全ての参列者の想いを伝えられる葬儀を執り行うために、従業員には顧客の希望を「傾聴」するように教育を徹底している。
?また、最近では宗教観の変化等から「生前葬」「樹木葬」や「手元供養(故人の遺骨を、自宅などの身近において供養する方法。仏壇?位牌を使用しないこともある)」など、葬儀に関連する顧客のニーズが一段と多様化している。このため、既に述べたもののほかに、手元供養のための骨壺の販売など、ビジネスモデルの多様化にも取り組んでいる。また、自社で映画「おくりびと」で国際的に「納棺師」と「納棺の儀」に注目が集まった納棺師を有している。映画「おくりびと」で国際的に「納棺師」と「納棺の儀」に注目が集まり、今では遺族と故人の最後のお別れを提案させていただくことが普通のこととなり、多くの顧客から感謝されている。
(上:位牌、中?下:手元供養の使用される骨壺など)
?以上のように、当社は葬儀前後の遺族のさまざまな思いやニーズに「傾聴」の心で寄り添って、様々なサービスを提供することで、地域に密着して今後も活動していく方針である。
株式会社東京葬祭の皆様のご厚意で、訪問した学生は、地域に密着して葬祭業とその関連事業を展開している企業の経営実態と地域?社会への貢献についてのお話をうかがうという貴重な経験と卒業論文の作成にとって参考になる多くの学びを得ることできました。
(向かって左:後藤社長、右:佐東執行役員、中央:本学学生)