アントレプレナーの高大連携アクティブラーニングで、日本有数のメンターが「ビジネスのアイデア創出の発想法」について講演しました

2025年7月2日にサービス経営学部の藤野洋教授と張森専任講師が担当するアクティブラーニング科目「アントレプレナー(高大連携)」の第12回授業において、「ビジネスのアイデア創出の発想法について」との演題で講演が開催されました。
1.アクティブラーニング科目の概要
このアクティブラーニング科目には一般財団法人企業共済協会から多大な援助をいただいており、本学の学生が実際に起業するときだけでなく会社員?公務員を含む多様な仕事に取り組む上で必要性が高まっている素養である「アントレプレナーシップ(起業家精神)」を涵養し、将来的な起業や事業承継の増加に寄与することを目的としています(概要は下図)。
(図)アクティブラーニング科目「アントレプレナー(高大連携)」の概要
講師は、6月11日に実施したかき氷販売のピッチコンテストで審査員を務めていただいた日本総合研究所(以下、「日本総研」)の東博暢氏です(写真)。
(参考)「アントレプレナーの高大連携アクティブラーニングで、入間川七夕まつりで販売するかき氷販売のビジネスプランのピッチコンテストを開催」(/topic/news/a263)
東氏は日本でも有数のアントレプレナーのメンターであり、日本総研のリサーチコンサルティング部門プリンシパル/融合戦略グループ長/Incubation & Innovation Initiative代表?統括ディレクターを務めています(「アントレプレナーのメンター」はビジネス面だけでなく、精神面などについても起業家(アントレプレナー)からの相談を受けるアドバイザー的な支援者。東氏はイノベーションや教育に関連する多数の公職にも就いています(日本総研Webの東氏の紹介:https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=2932))。
(東氏のご講演)
2. 講演の目的と概要
2.1 講演の目的
この講演の目的は、後期に「プチ起業(ビジネスの起ち上げのプランの作成?実行)」を実施予定であることを念頭に置いて、ビジネスプランの「アイデア」をどのように創出するのかについての発想法を受講生が学ぶことです。
(注)西武学園文理高校の生徒は期末試験期間中のため参加しませんでした。
2.2 講演の概要
?先ず、ビジネスやイノベーションに必要なアイデアを創出する枠組みついて、「イノベーションのプロセス(The Innovation Process)」「重要な顧客(Important Customer)」「ビジネスキャンバスモデル」ついてご説明いただきました。
?そして、ビジネスやイノベーションのためのアイデアを得るために、社会的課題に注目することの重要性を論じました。
?社会的課題の例として、先ず国際社会が直面している課題(都市化?労働力不足、資源問題?食糧難)と新しいビジネスの可能性と事例についてお話しいただきました。 ?次に国内の社会的課題の例として、通常ネガティブにとらえられがちな「地域の高齢化」という問題もその地域アイデア次第でビジネスチャンスになりうるという事例をご説明くださいました。
?具体的には、高齢化率が50%超の自治体の高齢者が設立した会社がこれまで見向きもされていなかった「葉っぱ」を地域資源とするアイデアを実現し、農協経由で「つまもの」として高級料亭向けに販売することで地域の少なからぬ高齢者が高い収入を得ていることと、さらに、このビジネスモデルの講演活動などでも収入を挙げていること等をお話しいただきました。
?そして、本学の所在する「狭山市の課題」「地域課題」「名産品」をネットで検索して、課題や狭山茶のような地域資源に注目して、ビジネスのシーズ(種)を見つけようとすることもアイデアの重要な源であることもご指摘くださいました。
?その後、熊本県の大学に在学時に起業した経営者が焼酎製造の際に発生する残渣を用いた飼料?肥料で受賞した事例もご紹介いただきました。
?さらに、ビジネスプランを作成する事前準備として、「起業準備シート」と「自己分析シート」を作成することの意義についてもご説明をいただきました。
?「起業準備シート」と「自己分析シート」作成の重要性をご説明いただく中で、北海道で所得水準が高い自治体(下の写真の左)は札幌周辺であるが、一人当たりの所得水準が高い自治体(下の写真の右)は札幌周辺ではなく北海道の多くの地域に分散していることを例として、個々人が若いうちにできるだけ早く、夢やビジョンを持って自らの仕事?ビジネス?人生に対する計画を立てることによって、その夢やビジョンの実現?達成に近づくことができると指摘してくださいました。
?ご講演の終盤には、AI(人工知能)の進化?技術革新が加速しており、AIを利活用することがビジネスに役立つこととAIの利活用はZ世代のような若い世代にとってハードルが低いとして、受講者にエールを贈ってくださいました。
3.東氏の講演後の取り組み
3.1 2年生の「起業準備シート」「自己分析シート」へのアドバイス
上記2の講演終了後には、2年生があらかじめ個々人で作成していた「起業準備シート」「自己分析シート」に適切なアドバイスをいただき、以降のビジネスプラン作りについてのヒント?助言をお話しくださいました。
3.2 1年生のかき氷販売のビジネスプラン造りへのアドバイス
また、冒頭で紹介したかき氷販売のビジネスプランのピッチコンテストの優勝チームと準優勝チームのビジネスプランをブラッシュアップするために各グループのメンバーとの対話を通じて、各チームに多くのアドバイスをしていただきました。
4.最後に
東氏のご講演は受講生及び教職員にとっても非常に参考になるものでした。
企業共済協会に多大なご支援を賜っているこのアクティブラーニングでは、本学と系列高校の西武学園文理高等学校はアントレプレナーシップを有する人材育成に引き続き取り組んでいきます。